クリスマス

最近は、12月の街角で、クリスマスの賑やかな音楽を聞くことが少なくなったように思います。特に今年はコロナの影響か、静かなように感じます。

私が子どもを育てていた頃は、12月になると、デパートに行っても家の近所のスーパーマーケットに行っても、クリスマスソングが流れていました。『赤鼻のトナカイ』や『あわてんぼうのサンタクロース』『ジングルベル』など、賑やかな曲があふれていました。

私の子どもはカトリック系の小学校に通っていたので、クリスマスのミサは盛大で保護者も参加することができました。そこで初めて聞いたクリスマスの聖歌、『世界ではじめのクリスマス』が今でも私は一番好きです。

♪世界ではじめのクリスマスは ユダヤの田舎のベツレヘム
宿にも泊まれず家畜小屋で マリアとヨゼフの二人だけ
赤子のイエス様 草の産着 ゆりかご代わりの飼い葉桶
優しい光に見守られて 恵みの光が照らすだけ
グローリア グローリア グローリア グローリア インエクセルシス デオ♪

単調なメロディですが、心に残る響きです。

“かも川親子の療育室”にくる子どもたちの中にも、カトリック系の保育園や幼稚園に通っている子どもが何人かいます。クリスマスの聖劇は必ず行われるので、年長組になると何の役をもらえるのか、みんな楽しみにしています。マリアと三人の博士の役が、子どもたちの一番人気らしいです。立候補制で役を決める園もあるようです。

“かも川親子の療育室”に来ていた男の子のママは、あえて一番人気の役ではなく、一応セリフも少しある『宿屋の主人』の役を子どもに勧めました。対立候補もなくすんなり決定。劇の当日は、宿を探すマリアとヨゼフに「それはお気の毒に…」と情感たっぷりにセリフを言うことができたそうです。ママからの報告を聞いて、滑舌の悪かった子がそんなに成長したのだと、私は嬉しく思いました。

発達障碍のクリスマス

 

私の子育ての時代はずっと大阪に住んでいましたので、12月になると家の近所の新梅田シティに、巨大なクリスマスツリーをよく見に行きました。夜になると大きなツリーの周りに海外のクリスマスグッズを売るお店も並び、外国の街角に来たような感じでした。

息子が「どうして12月になると、みんなキラキラ光るものを見るの」と訊きました。すると娘が「みんな、清い心になりたいと思っているからよ」と応えていたのです。
私は今でも、幻想的な光を放つ巨大なツリーを見上げて立っていた二人の子どもの、その時の情景を忘れることができません。

『世界ではじめのクリスマス』の最後のフレーズは、次のような歌詞で終わります。

♪世界ではじめのクリスマスは 小さな小さなクリスマス
けれども喜び満ちあふれた 気高いまことのクリスマス♪